★レイチェル・カーソン・沈黙の春

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レイチェル・カーソン(Rachel Louise Carson、1907年5月27日 - 1964年4月14日)は、アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれ、1960年代に環境問題を告発した生物学者。アメリカ内務省魚類野生生物局の水産生物学者として自然科学を研究した。

農薬で利用されている、化学物質の危険性を取り上げた著書『沈黙の春』(Silent Spring)は、アメリカにおいて半年間で50万部も売り上げ、後のアースディや1972年の国連人間環境会議のきっかけとなり、人類史上において、環境問題そのものに人々の目を向けさせ、環境保護運動の始まりとなった。


●沈黙の春の要約?Silent Spring Rachel Carson?

アメリカのとある町。

春がくると、緑の野原のかなたに白い花のかすみがたなびき、秋はカシやカエデやカバが燃えるような紅葉のあやを織りなし松の緑に映えて目に痛い。渡り鳥が洪水のように、あとからあとへと押し寄せては飛び去る。

ところがあるとき、どういう呪いをうけたのか、この自然豊かな町に暗い影がしのびよった。いつもだったら、コマツグミ、ネコマネドリ、ハト、カケス、ミソサザイの鳴き声で春の夜が明けるのに、いまはもの音一つしない。

野原、森、沼地?みな黙りこくっている。 ――自然は、沈黙した。うす気味悪い。鳥たちは、どこへ行ってしまったのか。春がきたが、沈黙の春だった。白い細かい粒が、雪のように降り注いだ。・・・

生命と環境が生命の歴史を織りなしてきた。たいていは環境が作り上げてきたのだが、20世紀に人間が自然を変えた。主に自然の汚染という形で。

例えば放射能。核実験で空中に舞い上がったストロンチウム90は、雨に混じって降下し、土壌に入り込み、草や穀物に付着し、人体の骨に入り込むみ、死ぬまでついてまわる。だが、化学薬品も放射能に劣らぬ禍をもたらす。

化学薬品の大部分は「自然と人間の戦い」で使われる。虫や雑草をやっつけるために、1945年前後から塩基性の化学薬品が作り出され、売り出されている。撒布剤・粉末剤・エアゾールというようにやたらと使われる。しかし2,3の昆虫の為に生命ある全ての環境を破壊する。

「殺虫剤」ではなく「殺生剤」と言った方が相応しい。DDTが市販されてから、より毒性の強いものが必要となる。化学製品スプレーの歴史は悪循環の連鎖だ。一度殺虫剤を使うと、昆虫はそれに免疫のある品種を生み出すからだ。

そして化学製品によって突然変異等を引き起こすことになる。害虫を防除する必要がないわけではなく、コントロールは現実から遊離してはならないということだ。

第二次世界大戦で、人を殺す研究の中から合成殺虫剤が生まれた。戦前の無機系の殺虫剤とちがうのは、生物学的に大きな影響を及ぼす点にある。体のうちでも直接生命と影響がある部分に入り、時には死に至る変化を巻き起こす。いまでは化学薬品の汚染を蒙らない所など殆どない。

自然資源のうちで、水が最も貴重となっている。殺虫剤による水の汚染は、色々なところから汚物が流れ込むからであり、人間の環境全体の汚染と切り離すことが出来ない。畑や森林に殺虫剤をまくとゆっくり地面にしみこみ、或は川にそのまま流され、海へと向かう。

こうして大規模な汚染になる。そして水は循環する。また地下水として、殺虫剤を撒布していない地域にまで及ぶ。水は生命の輪とは切り離して考えられない。水中の物質は、食物連鎖を通して循環し、濃縮されていく。

悪影響がおこらないとされる量を撒いたとしても、化学製品は長い年月消えることはなく、生物を通して濃縮されていく。そして死に至らしめる。

土壌も汚染されてしまう。水を通して、直接撒布されて、そして植物へ取り込まれていく。ミミズが汚染され、それを餌とする鳥が死ぬ。また、邪魔な植物(人間にとって)を駆除する為にも薬はまかれる。

土壌や植物、虫、鳥、全てが持ちつ持たれつで生活しているから、一つが駄目になると他も連鎖して汚染される。2,3種類の邪魔な植物をなくすのに除草剤をつかうのでなく、選択性スプレーという方法をとればよい。

そして一番の防除方法は他の植物を植えることだ。選択性スプレーを使って一度きちんと処理をすれば少なくとも20年間はスプレーをしなくてよい。


一体何のために自然を破壊するのか。小さな虫を殺す薬品が他の動物や人間に害がない等ありえるのか。そんなはずはない。

そして鳥は鳴かなくなった。毎年沢山の鳥がいたのに、ニレの木にDDTが撒布されるようになると少しずつ姿を消していった。ニレの木を沢山植える、そのニレの木が枯れるのを防ぐために薬品を撒く、すると今度は鳥達が死の淵へおいやられる。

ニレの木ばかりでなく沢山の種類の植木が植えられていればこんなことはおこらなかったのに。<殺虫剤を撒布する側は、スプレーは「鳥には無害だ」と言う。しかし、コマツグミは本当に殺虫剤の毒にあたって死ぬのだ・・>

汚染された地域のミミズを食べた鳥達は、次々に死んでいく。卵を産んでも、雛は孵らない。世界いたる所から、鳥が危機に瀕している、との声が届く。どの報告にも繰り返されている共通のテーマは「殺虫剤が登場したために、野生生物に死が忍び寄る」だ。

作物の害虫駆除をするために、上空から薬品を撒く。白い粉が街に降り注ぐ。もうそこは、汚染された街となってしまう。人間自身も、虚脱状態に陥り、死ぬものもいた。自分達が作った災いは、自分達の元に戻ってきてしまうのだ。

「循環」はこんなところにも現れる。森林で虫が大発生した。害虫のために木が丸坊主になることを心配した営林署では防除対策を実施することにした。その森林は何本もの河川の水源であり、鮭が登る川だった。

鮭を心配した狩猟局との間に何度も打ち合わせが行われ、殺虫剤使用をできるだけ減らした。しかし、それにも拘らず、少なくとも主な四つの河川の鮭は全滅した。そしてその水がまた海まで流れていくのだ。

世界が汚染していくのは殺虫剤の大量スプレーの為だけではない。スーパーマーケットや薬局に、おそろしい毒薬が、こぎれいに並んでいる。子供が手をのばせば届くところに。

家庭用殺虫剤も、毒性の強いものがある。それらの殺虫剤は、人間には無害だといって売られているが、そんなことがあるのだろうか。直に虫が死んでしまうものなのに。

また、DDTは脂肪にも蓄積される。食物を通じて体の中に入るからだ。合衆国の検査によると、どの食物からもDDTが検出された。

これらの代償は人間に襲い掛かる。医学者ルネ・デュボス博士のこんな言葉がある。「明らかな徴候のある病気にふつう人間はあわてふためく。だが、人間の最大の敵は姿をあらわさずじわじわとしのびよってくる」。

農民や化学者などに症状が現れる人もいる。神経系統を直に冒す化学製品の使用を止めない限り犠牲はなくならない。

自然は逆襲する。薬を使うと免疫ができてくる。環境抵抗が行われ、より強い虫が生まれる。駆除できなくなってくる。大量の繁殖、人は前にも増して薬を撒くが、もう抗体が出来てきかなくなってくる。

<私達は、ほかの防除方法をめざして研究するべきである。化学的コントロールではなく、生物学的コントロールこそとるべき道なのだ。暴力を振るうのでなく、自然の営みを望ましい方向に導くことこそ、私達の目的でなければならない・・・。>

私達は今分かれ道にいる。行き着く先は禍(わざわい)か、あるいは地球を守る唯一のチャンスか・・。

私達が意味のない危険にのりだしていることを知ったからには、生物学的解決をめざすのだ。<自然の征服>という勝手な文句を作りだし、思い上がっていた人間自身を見直すべきだ。

私達が武器の鉾先をむけていたのは昆虫ではなく、ほかならぬ私達人間の住む地球であった。今後我々は見直しから正しい道へと進んでいかなければならない。

私たちは、いまや分かれ道にいる。

長いあいだ旅をしてきた道は、すばらしい高速道路で、すごいスピードに酔うこともできるが、その行きつく先は、禍(わざわい)であり破滅だ。

もう一つの道は、あまり<人も行かない>が、この分かれ道を行くときにこそ、私たちの住んでいるこの地球の安全を守れる、最後の、唯一のチャンスがあるといえよう。

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●レイチェルの心に響く言葉

・「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではない。

・地球の美しさと神秘を感じ取れる人は、科学者であろうとなかろうと、人生に飽きて疲れたり、孤独にさいなまれることは決してないでしょう。

・地球の美しさをよく見つめる人は、生命が続く限り持ちこたえる大きな力に気づくだろう。

・自然にふれるという終わりのないよろこびは、けっして科学者だけのものではありません。大地と海と空、そして、そこに住む驚きに満ちた生命の輝きのもとに身をおくすべての人が手に入れられるものなのです。

・世界中の子供に、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー、神秘や不思議さに目を見張る感性」を授けてほしい。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

・自然がくりかえすリフレイン"夜の次に朝がきて、冬が去れば春になるという確かさ"のなかには、限りなくわたしたちを癒してくれる何かがあるのです。

・春が来ても、鳥たちは姿を消し、鳴き声も聞こえない。春だというのに自然は沈黙している。

・自然界の保全について、われわれが慎重を欠いていた事を未来の世代は決して許さぬだろう。

・見すごしていた美しさに目をひらくひとつの方法は、自分自身に問いかけてみることです。「もしこれが、いままでに一度も見たことがなかったものだとしたら?もし、これを二度とふたたび見ることができないとしたら?」と。

・自然の一番繊細な手仕事は、小さなもののなかに見られます。雪の結晶のひとひらを虫めがねでのぞいたことのある人なら、誰で知っているでしょう。

・生命の連鎖が毒の連鎖にかわる。

・暴力をふるうのではなく、できるだけ注意して自然のいとなみを望ましい方向に導くことこそ、私たちの目的でなければならない。

・時をかけて―それも何年とかいう短い時間ではなく何千年という時をかけて、生命は環境に適合し、そこに生命と環境の均衡ができてきた。時こそ、欠くことのできない構成要素なのだ。それなのに、私たちの生きる現代からは、時そのものが消えうせてしまった。

・いまでは人工的に遺伝そのものがゆがめられてしまう。まさに現代の脅威といっていい。<私たちの文明をおびやかす最後にして最大の危険なのだ>

・原因と結果は、空間的にも時間的にもかけはなれている。病気や死亡の原因をつきとめようと思えば、見た目には関係もない、いろんな分野の研究成果を集めて、はじめてわかることが多い。


【私の理念は、幸せと平和を願う人々の心が臨界質量を超えることです】

きょうは、レイチェル・カーソンさんの詩のように美しい文章でつづられた「センス・オブ・ワンダー」のエッセンスを読んでみることにしましょう。

センス・オブ・ワンダー」 レイチェル・カーソン

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。

もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない「センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目を見はる感性」を授けてほしいとたのむでしょう。

この感性は、やがて大人になるとやってくる倦怠と幻滅、わたしたちが自然という力の源泉から遠ざかること、つまらない人工的なものに夢中になることなどに対する、かわらぬ解毒剤になるのです。

妖精の力にたよらないで、生まれつきそなわっている子どもの「センス・オブ・ワンダー」をいつも新鮮にたもちつづけるためには、わたしたちが住んでいる世界のよろこび、感激、神秘などを子どもといっしょに再発見し、感動を分かち合ってくれる大人が、すくなくともひとり、そばにいる必要があります。

多くの親は、熱心で繊細な子どもの好奇心にふれるたびに、さまざまな生きものたちが住む複雑な自然界について自分がなにも知らないことに気がつき、しばしば、どうしてよいかわからなくなります。

そして、「自分の子どもに自然のことを教えるなんて、どうしたらできるというのでしょう。わたしは、そこにいる鳥の名前すら知らないのに!」と嘆きの声をあげるのです。

わたしは、こどもにとっても、どのようにして子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、「知る」ことは「感じる」ことの半分も重要ではないと固く信じています。

子どもたちが出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生みだす種子だとしたら、さまざまな情緒やゆたかな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌です。幼い子ども時代は、この土壌を耕すときです。

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかり身につきます。

消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうが、どんなに大切であるかわかりません。

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